不確実性とイノベーションとある社長の感覚
時々、全く別の入口から入ったはずなのに同じものに出会ってしまった、ということありますよね。仕事繋がりでFacebookで新しく友人ができたと思ったら、共通の友人に高校時代の友人が出てきてビックリ、みたいな。
HBRの濱口さんの記事を読みながら、先日読み終えて咀嚼しきれてないメタップスの佐藤航陽社長の本の内容と重なる部分があるなあと思った。「意思決定の内に不確実性を許容しよう」という下りと「成功する予感が9割のものより五分五分のものの方が大体上手くいく」という話。同じこと言ってるなあ。
— ヨノセコ(Hiroyo Nose) (@blackcat_777) 2016年3月28日
佐藤社長の本、読み終わったのですが本当に面白かったんです(ここ最近読んだ中でもダントツでした)。
ただ、内容が壮大で、あらゆる広い範囲の事象を一気に拡散させて集束するというその拡散度合いがすごすぎるので、まだ咀嚼しきれていない所も多く。もう一度読もう、と思いながらデザイン思考周辺をブート・キャンプしています。
それで、個人的に前から興味のあったデザイン思考(っていうかデザイン思考ってなんぞや、という方も多いと思うので、ブート・キャンプ後に改めてまとめようと思います。)やイノベーションの方法論を漁ろうと思った所で丁度ハーバード・ビジネスレビューの最新号に濱口さんの記事が掲載されているということで猫まっしぐら。
ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2016年 04 月号 [雑誌] (デザイン思考の進化)
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/03/10
- メディア: 雑誌
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濱口さんは今や皆が持っているUSBの発案者の方です。イノベーションを”作り出す”方法論を持ち、世界中でイノベーションを起こしまくっている素晴らしい方です(と、私はざっくりと認識)。
実は、佐藤社長と濱口さんの記事には何個か共通する言葉が出てきているんです。その一つが「不確実性を許容すること」。論理的思考が有用なツールとされていたり、世の中的には、とかく成功確率を高くするためには”確実な”意思決定を求められているような気がするのですが、またその風潮が変わるんだろうなーと。
濱口さんの言説をお借りすれば、「イノベーティブなもの=見たことも聞いたこともないもの」であり、皆が確実にヒットする!と思うようなものは「これまでにあるもの」から皆がそう推測するから確実にヒットすると思う。つまり、確実性というのは「これまでにあるもの」から生まれる、とのことで。
これまでの既定路線から外れたもの=成功確率が半分(50%、完全なランダム)になる、そして世の中がそれを求めている、となれば佐藤社長の「成功する予感が五分五分ぐらいのものがうまくいく」という言説とも一致するんだなあ、と。
他ジャンルの本を広く読んでみると、共通項があった時にこうやって面白がれるから楽しいなーと思いました。そんな感じです。
腹ぺこインプットデイズ
本を読み漁っています。インプットの時期がやってまいりました。
私はお恥ずかしい話ですが、あまり読書しない方です(たぶん)。
でも、1年に1度あるか無いかの「読書熱」が発生する時期があり、その期間にばーっと読みます。熱が冷める前に。
今、ちょうどその時期がやってきたので読み漁っています。熱が続くまで、というところですが、一応以下のジャンルを読み進めていこうかなあ、と。
・デザイン思考周辺
・ゲーミフィケーション(以前読み漁った時期があるのですが、復習)
私の場合、それこそ牛乳からバターを作るが如く、ある程度のインプットが無いとアウトプットが出ないのでこれを機にしっかりとインプットしておこうかなあと思います。そんな感じでした。
今年度の実績を振り返ってみる
さて、3月年度末ということで、今年度の実績を振り返ろうという気分になりました。私はこういうことをしていますという紹介も兼ねまして。
続きを読むアンドロイドは電気羊の夢を見るか
最近、人工知能周辺が熱いですね。記事タイトルはフィリップ・K・ディックの小説から。アンドロイドと人間の違いに迫る名作SFです。
アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))
- 作者: フィリップ・K・ディック,カバーデザイン:土井宏明(ポジトロン),浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
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(本日は浦沢直樹のPLUTOのネタバレを含みます。お気になさらない方のみ、読み進めください。)
続きを読むgaccoの「人とロボットが共生する未来社会」が相当面白い
実は私は高校時代に「人と会話できる人工知能を作りたい」ということを考えていました。ちょうど哲学に興味を持ち、学校では「倫理」の授業が履修できないことが判ったので政治経済の授業中に倫理の参考書を広げて自分で勉強していた頃の話です。
それは当時、”人工無能”というサービスがネットで(少なくとも私の周りでは)流行っていて、それを見ている内に「ソクラテスやプラトンの考え方を反映した人工知能ができたら、彼らと会話できるんだろうか」とフツフツと考えていたのがきっかけだったんです。スーファミのカセットを変えるのと同じように、カセットを入れ替えることでいろんな人と話ができるようになったりしたら、面白そうだなあ、と。
そういう訳で、実は「人工知能」や「ロボット」というのは個人的に今でもホットなキーワードです。
さてさて、そんな私の元に最近面白いコンテンツが飛び込んでまいりました。
gaccoというサイトを皆さんご存知でしょうか。
大学の講義を無料で受講できるe-learningサイトという触れ込みのサービスなんです。
それで、現在、このサイトではマツコロイドを作ったり自分の分身となるアンドロイドを作ったりしてることで有名な石黒浩教授の「人とロボットが共生する未来社会」という講座が開催されているのですが、これがなかなか面白い。
最初の講義で、石黒教授が研究を始めたルーツをお話になってるのですが、もうそこから面白い。
小さいころ「人の気持ちを考えなさい」と言われたが、「人」も「気持ち」も「考える」ということも何なのかわからなかった。大人はそれを知ってるんだ、すごいと思っていたけれども、どうやらそうではないらしい。そこが出発点。
それを追求した結果、今のロボット研究に至っていらっしゃるんだからすごい。子どもの頃の「なぜヂカラ」はすごいですね、本当に。
講座の方は、その後、会社で働く遠隔ロボットの事例や人間に適したインターフェースは「人間らしいもの」であること、ロボットのインターフェースを人間よりにしていくと、途中で必ず「怖い」と思われてしまうという”不気味の谷”の話など、非常に興味深い話が聞けます。
何より、この講座自体が石黒先生の分身であるジェミノイドH1-4と先生のツーショットという非常にシュールな画で進むのが面白いので、興味のある方は是非ご覧あれ。
元教え子とランチ&進級を祝う会でした
昨日の話になりますが、卒業した教え子とランチしてきました。
家庭教師の元教え子とランチした!出会った時は不登校で勉強に全然自信がなかった子だけど、今は高校に行って、自分で勉強のペースを作って、自分をマネジメントする力がついてきてる。すごい。段々大人になるねー。先生感動だよほんと。 pic.twitter.com/wCrkCbFJux
— ヨノセコ(Hiroyo Nose) (@blackcat_777) 2016年3月23日
この子は中学2〜3年生の頃に家庭教師で担当した教え子です。出会った時はびっくりするほど不信に満ちた目で、なんとなくご家庭もどんよりムードでした。でも、できることから、少しずつやっていこうと一緒に頑張って、志望校が決まってから少しずつ自分でも勉強ができるようになり、なんと3年生の3学期には学校復帰をして高校に進学していきました。
高校では部活にクラブ活動に学園祭実行委員にと、とにかく何にでも挑戦しているようで忙しくもとても楽しそうです。最近は、自分で「毎日学習する習慣をつけたい」とアプリを活用しながら勉強をしているようです。なんと、もうすぐそれが1ヶ月続きそうだとのこと。すごいよ、本当に!
私は学習の指導に入るときは「子どもたちが自分の力で勉強ができるようになる」ことに主眼を置いているので、こういう報せをしてくれるのはとても嬉しいです。だってさ、社会人になっても、自分で勉強しなくちゃいけない場面がいっぱいあるんだから。私は数学や英語の知識ももちろん教えたいけれど、勉強ってそれ以上に、
・自分を自分で動機づける力
・目標を立てる力
・目標達成のために計画を立てる力
・自分で何かができるようになる喜び
…などなどを得られるツールだと思ってるんです。そう、ツールなんです。だから、そこを達成できたなあと思えると本当に嬉しいんです。
そして、夜は現在活動しているNPOの学習支援教室の方で進級お祝い会をやりました。(学習支援教室の企画運営の仕事をしているんです。教室長みたいなものです。)
団体の自主事業でやっている学習室、進級のお祝いの会を実施した。寄付者の方をご招待した。全盲の方だった。本当に素敵な方で、ご自身のご経験の中から本当に大事な言葉を子どもたちにプレゼントしてくださったし、子どもたちも素晴らしいおもてなしをしてくれた。本当に良い教室だなって思った。
— ヨノセコ(Hiroyo Nose) (@blackcat_777) 2016年3月23日
ご支援くださった方もお招きしました。お会いして、その方が全盲の方だと初めて知りました。スマホを活用されており、メールは音声読み上げで聞いているとのこと。見やすいメールを心がけていたけれど、読み上げで聞きやすい、という配慮はしていなかったなあ、と、ひとつ勉強。
また、本当に素敵な心持ちの方で、子どもたちとのふれあいも愛にあふれており、ああ、この教室はこんな素敵な大人の方々に支えられてできているのだな、と感じました。
子どもたちも、実はみんな学校が違うのですが、みんな本当に優しく、お互いに思いやりがあって、楽しい教室なんです。こちらがいつもびっくりするぐらい。本当に自慢の教え子たちです。私はこの事業に関わることができて本当に良かったなあと思います。誇らしく思います。
心がお腹いっぱいになった、そんな日でした。